2/12/2010

Hospitalistって、病院医?

今日もちょっとまじめに、お勉強の成果を。
今朝のセミナーのテーマはHospitalistでした。

セミナーに先立って、なぜかトランペットのファンファーレが!
一番奥のちっちゃいおっちゃん(本当は大きいけど)が、
会議室でトランペット吹いちゃってます!
なんでも演者のお姉ちゃんの旦那さんで、Houston symphonyのトランペット奏者だそうな。あ~、びっくりした。
さて、このHospitalistって、初めて英辞郎(インターネット上の英和・和英辞典。とても便利です)で日本語訳が出てこなかった単語です。仕方ないので自分で訳すと、病院医って感じになりますかね。すでにHospitalistの学会もあって、そこに定義が書いてありましたのでコピペしますと、
Hospitalists:A medical specialty dedicated to the delivery of comprehensive medical care to hospitalized patients.
うーむ、なんとも日本語には訳し難いですな。
HospitalistおよびHospital medicine(病院内科かな?)という概念は現在の日本の医療には全くなく、この単語自体も今回初めて聞きました。アメリカではケネディ大統領が暗殺された1968年ごろから、救急医とともに登場した概念で、要は入院中の患者さんの治療を何でも行ってしまう医者および医療ってことになりますかね。救急医は外来の何でも診る医者、病院医は病棟の何でも診る医者って感じかしら。ま、もちろん専門的な治療は専門医が行う様ですが、アメリカでは入院期間が短いこともあり、また色々な基礎疾患を持っている患者が多いこともあり、入院中の急性期医療を主に担っているようです。日本での感覚では、聖路加病院の内科チーレジがもっとエラくなった感じかね。

このHospitalistという専門医が病院にいると、入院期間の短縮や治療費の削減ができること、また患者の満足度も変わらないことが知られるようにあり、最近はHospitalistのいる病院が増えているそうです。さらに、Hospitalist自身のQOLが高い(Radiation oncologistに次いで第2位だそうです。ちなみに最悪なのは心臓血管外科医だそうな。)こと、需要があることなどから、ここアメリカでは近年このHospitalistを目指す医者が増えていて、現在約3万人ほどいるようです。

このセミナーのテーマ

しかし、まだはっきりとその分野というか、専門性が決まっているわけではなく、Hospitalistの専門医の教育や、今後のあり方・役割がアメリカ医療の課題でもあるようです。今後、このHospitalistが増えてくると、外科系の入院患者の周術期管理を行ってくれたり、さらには腹腔鏡下胆嚢摘出術ぐらいはHospitalistがやっちゃうようになるのではというお話しでした。

なんでも分業しちゃうアメリカの医療がそのまま日本に入ってくるとは思えませんが、こんな医者が日本の病院にも居たら良いねえ。ま、自分は遠慮しておきますけど。

ちなみにHospital medicine学会のホームページはこちら。興味のある方はどうぞ。

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