3/16/2010

Integrative Medicine

今日のカンファレンスは、Integrative Medicine 入門編でした。Integrative Medicine とは、直訳すれば統合的医療または全人的医療とでもいうのでしょうか。以前はComplementary/Alternative Medicine(代替・補完医療)と呼ばれていたようです。

MD Anderson, Integrative Medicine Programのwebより

要はいわゆる西洋医学をサポートするような医療のこと。日本で外科医をしていたころは、如何わしいものだと思っておりましたが、MD Anderson Cancer Centerでは音楽療法や、針治療、ヨガなどの医学的効果に関して、本格的にevidenceを求めて研究されておりました。
MD Andersonには、Department of Behavioral Science, Integrative Medicine Programという部門があって、治療のevidenceを求めて真面目に研究されています。


朝早いのに、大勢の人達が来て真面目に聴いてます。

精神的・肉体的ストレスがかかると身体には負担になると言われていますが、実際にストレスに曝されると、癌の進行が早くなったり、血管新生が促進されたりといったことが実際に証明されているようです。
泌尿器科領域ですが、周術期のストレスコントロールで、術後の経過が良くなるといった論文も、MD AndersonからなんとJCO(癌領域の有名な論文雑誌)に載ったりしています。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19349551
まあ、当然といえば当然の結果なのですが、このことを科学的に証明するのは非常に難しいく、そういう意味でも画期的な論文だろうと思います。今後、外科医は術前の患者のストレスを軽減することも考えないといけない様です。

さらには、針治療やbody massage, YOGA, Music therapy, カウンセリングなども免疫力を高め、癌治療に有効とのことでした。特に針治療に関しては、神経痛や口渇感が改善するというevidenceも確立されており(プラセボ用の針まであるそうです)、実際にMD Andersonで針治療を実施しているようです。

将来的には、癌の治療ってのは手術したり、化学療法や放射線療法をする直接的な行為だけでなく、定期的にカウンセリングを受けたり、YOGAや針治療・音楽療法に通ったりと生活環境を劇的に変えるところまでするようになるのかな?と、今日のセミナーを聴いて思いました。

興味のある方は、MD AndersonのIntegrative Medicine Programのホームページをのぞいて見て下さい。

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